最近、急激に話題になりだしているニューワード「子供部屋おじさん」
聞くと、かなり「侮辱的な」「人を小ばかにしたような」言葉に聞こえますが、一体どんな意味なんでしょうか?いろいろ調べてみました。
子供部屋おじさんの意味は?
【衝撃】いい歳して実家暮らしの40代「子供部屋おじさん」が急増wwwwwww https://t.co/SDlhrCPGpu
唐突に現れて何のことか分からなかった
— Fallbook (@takky3110) 2019年2月28日
ではさっそく、子供部屋おじさんの「意味」を調べてみようと思います。
そもそもこの「子供部屋おじさん」は、5ちゃんねるの板のひとつ「なんJ」から生まれた言葉なのですが、
その「破壊力」からあっという間に話題になっている新語の一つです。
使われている意味としては
実家を出て一人暮らしをせずに、子供時代から引き続き子供部屋に住み、食事や掃除までを親に依存して生活している40代(くらい)の男性
を指している言葉として使われているみたいです。
ただ、今までも「パラサイトシングル」など、親元を離れずに実家暮らしをしている人間を呼ぶ言葉は存在していましたが、その「パラサイトシングル」が成長して40代を超えてしまい、結婚の可能性が薄くなってきた人を指している言葉だと思われます。
基本的には、「煽りワード」つまり、人を小ばかにして使うような言葉なのですが、
この「子供部屋おじさん」というワードが「刺さる」人が結構いるみたいで、急速に広まっているみたいです。
子供部屋おじさんはどれくらい増えている?
さて、最近になって使われだしたこの「子供部屋おじさん」ですが、
最近ではどのくらい増えているのでしょうか?
総務省統計研究研修所の西文彦さんは、「35~44歳の親同居未婚者」の推移をまとめた。
80年には39万人しかいなかったが、2016年には288万人まで急増している。35~44歳人口に占める割合も、2.2%から16.3%に上昇。6人に1人が該当するまでになっているのだ(データは各年とも9月の数値)。
いつまでも親の年金や貯金、持ち家に頼り続けることはできない。「中年パラサイト・シングル」には正社員もいるが、2~3割は不安定な非正規雇用で働く。
約1割は失業者だ。親の死後を見据えて、自分で十分な蓄えをしている人は少数派だ。親の貯金を使い果たせば、生活保護に頼るケースも考えられる。
出典:https://dot.asahi.com/wa/2019012300010.html?page=2
それぞれの年代別に分けてみると、親と同居する未婚者は
若年未婚者(20-34歳)は2016年は約908万人
壮年未婚者(35-44歳)は2016年は約288万人
高年未婚者(45-54歳)は2016年は約158万人
この傾向は増加傾向にありそうですね。
原因は様々で、男性就業者の“非正規雇用”の割合の増加、少子化で「家にいても大丈夫な環境」なこと、あとは親子関係の多様化などがあげられるでしょうか・・。
でもやっぱり大きいのは、収入が下がっていることが大きな原因かも知れません。
一人暮らしでカツカツで生活するよりも、親と協力しながら生活したほうが何かと「経済的」なのは間違いないですからね・・。
事実「子供部屋おじさん」の中にはクレバーにも「貯金」をしこたまためている人もいるみたいですが・・。
子供部屋おじさんは「貯金」で2極化?
さて、基本「煽り」つまり「バカにしている」言葉として使われている「子供部屋おじさん」ですが、
「未婚で親と同居している40代男性」という条件さえ満たせば「子供部屋おじさん」なので、その「中身」もいろいろです。
その中身の特徴の一つが「貯金」があるかどうか。
親と同居しているため家賃がかからず、もちろん水道料金も電気料金も必要なし。
人によっては「家賃」として月5万円ほど家に入れている人もいるみたいですが、
それでも一人暮らしをするよりかなり「お得」に生活ができるために、かなり「ため込んでいる」人もいるそうです。
そんな「子供部屋おじさん」よりも、一人暮らしをしてかつかつで貯金がゼロの人よりも「勝ち組」であると豪語する人も多いです。
「子供部屋おじさんって何よww現実問題貯金できるからいいんじゃない?」
「「子供部屋おじさん」私です4月に卒業するけど(笑)子供部屋おじさんはがっぽり貯金できるよ」
「いわゆる”子供部屋おじさん”、可処分所得が同年齢の2,3倍+自動で衣食住にありつける完全なる特権貴族階級だからなれるならそのまま子供部屋じいさんを目指した方が絶対良いし、一生独身だろうに貯金も無く一人暮らししてる俺みたいなのが一番険しい」
「社会人一年目の給料で一人暮らしなんてしたら貯金たまらんやろ」
「別に子供部屋おじさんでも将来に向けて貯金してるとかならいいんじゃないかなって思うけどね。家賃食費光熱費とか諸々かからないor格安 で済むし。ただ何も無く貯金も殆ど無いとかならもうそれは”深淵”やべー奴」
「いい年して親と同居している」ということが今のところ「恥ずかしい事」と認識されることが多い現代ではありますが、
その「不名誉」さえ受け入れてしまえば、実情はかなり「リッチに」生活できる、うらやましい状況とも言えそうです。
「大人なんだから独り立ちしないと・・」と頑張って一人暮らしをするも、低い給料から貯金もできず、実質「その日暮らし」になってしまっている人を思えば、この「子供部屋おじさん」も、計画のうちならば悪くない選択なのかも知れません。
子供部屋おじさんは「家事ができない」とヤバイ?
子供部屋おじさんにもいろいろな人がいると思いますが、特に問題視されているのは、料理や洗濯、掃除などの
「家事ができない」ことみたいです。
「ただ実家に金も入れず家事の全てを親に依存し、収入を自分の趣味につぎ込む子供大人はそう呼ばれても仕方ないとは思う 僕の靴下どこ!お腹空いた!不味いの出すな!」
「子供部屋おじさんの定義
親の介護などの特殊な理由もなく実家にパラサイトしてる20代後半以降の独身のおじさん。有職無職問わない。家事はほぼ親任せでその分の食費や諸経費も払わず、払うのは自分の携帯料金など最低限のプライベートな費用のみ」「子供部屋おじさんでも、家に金入れてるとか家事自分でしてるならまだいいけどな。全部親が払って全部親が家事してる人は親死んだらどうするんだろう。」
「子供部屋おじさんが話題になってるけど、家事もやらずに実家に寄生してるような人とは結婚したくない。 」
「子供部屋おじさん…うちにもおるわwてか実家にいたら年100は節約できる!家事一切しなくていいメリットある!とか言ってる奴まじ頭大丈夫?」
たとえ未婚で実家に住んでいても、家事もするし家にお金を入れている場合は「それでもいいんじゃない?」という見方が多いです。
やはり、親と同居していても「自立している」ということが大事だということですね。
親の介護をしている人はちょっと気の毒な言葉かも・・・。
それぞれで状況の違う「子供部屋おじさん」ですが、中にはこう呼ばれることが気の毒な人も。
親の介護が必要で、未婚のままの状態がずっと続いてしまっているという人もいるんですね。
「「一人暮らし」より、親の介護しながら「子供部屋おじさん」してる今の方がよっぽどシンドイけどなあ。私も「一人暮らし」長くしてたけど収入があれば誰でもできるし、苦労も無いけれど?「一人暮らし」って過大評価されてると思う。」
「子供部屋おじさんにみんな厳しいですね(笑。17年に渡る一人暮らしの末に、親の介護のため子供部屋おじさんしてる私も世間からそんな目で・・・」
「介護の為に結婚へのハードル上がった挙句独身のまま実家の自室で過ごしてる人も含まれるんだぞ」
「いつか来る親の介護のキーパーソンになる立場なので、普段から一緒に居続けたほうがメリットあるよなあとは感じてる 通勤も若干不便とはいえ出来るし」
「就職難や低賃金&家賃の高騰といった社会が若者の自立を阻んでいる環境もあれば、家族を介護するために実家離れられない人だっているから。」
親のことを考えて実家に戻っている人もいますし、やはり一概には言えないのが「子供部屋おじさん」という言葉なんですね。
子供部屋おじさんは「不動産屋のステマ」という声も・・。
さて、こうして見てみると、「子供部屋おじさん」は決してバカにできるような対象という「だけ」ではなくて、
状況もそれぞれに違っていて、むしろ「賢い選択」であることもあるみたいです。
かつかつで一人暮らしをしている人からは、むしろ「しっかりした実家があってうらやましい」という声もありますからね。
そんな中、
この「子供部屋おじさん」という言葉そのものが「不動産屋のステマなのでは?」という意見もあるんですね。
「この子供部屋おじさんてのは不動産屋さんが広告代理店にお金を払って無理やりはやらせてる感がすごい。たぶんこれお金が動いているのだろう。一昔前の言葉で言うとステマというところか」
「子供部屋おじさんネタは不動産屋のステマ」
「子供部屋おじさんが増えたら不動産業界は死の宣告だしなー」
「子供部屋おじさんを煽って独り暮らしさせまくったら不動産屋とレオパレスは儲かってしょうがねーなw」
「子供部屋おじさんだけど不動産屋の陰謀説と考えて落ち着けてる」
たしかに、「子供部屋おじさん」という侮蔑的な言葉でくくられなければ「無駄な家賃を節約して、家族で協力し合って生活している賢い選択」という側面もあるので、
こういった価値観が幅広く受け入れられてしまうと、不動産業者としては打撃以外の何物でもないですからね・・・。
最近では一戸建てだけでなくて、アパートの「建て過ぎ」による空き家の問題も表面化し始めているので、この「不動産屋のステマ」というのも、あながち嘘ではないのかも知れません。
この言葉がはやって「自分は子供部屋おじさんをやめるんだ!」と思ってもらったほうが、不動産業界からは好都合ですからね・・。
「子供部屋おじさん」は思ったよりも色とりどりだった。
こうして「子供部屋おじさん」に意味をいろいろと調べてみたのですが、一言に「子供部屋おじさん」と言っても、それぞれの状況に差がありすぎるので、簡単に定義するのが難しい言葉だなと感じました。
とりあえず「結婚せずに親と同居しているおじさん」ということなのですが、貯金があって親と良好な関係を築いている人もいれば、家業を継いでそのままの人もいますし、状況はいろいろ。
なのでひとことに「子供部屋おじさん」と言ってバカにもできないみたいですね。
独立しないことを「未熟だ」という考え方も正直今では古いと思いますし、住む場所があるのに、わざわざ独立する必要もないような気もしますし、
良くも悪くも「多様化」してきている現代では、たとえ未婚で親と同居しているとしても、気にする必要なないのかもしれません。
まとめ
今回は最近巷をにぎわせている「子供部屋おじさん」という言葉の意味を調べてみました。
単純に「いい歳して親の脛をかじって独立しない、未熟なおじさん」という人を馬鹿にした言葉なのですが、
下手をすると「子供部屋おじさん」のほうが、ディスっている人よりも、いい暮らしをしている可能性もありますからね・・・。
なんだか、いろんなことを考えさせてくれる、「子供部屋おじさん」という言葉でした・・・。
というわけで今回はここまで!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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