ペンギンハイウェイ

ペンギンハイウェイ徹底解説&考察!タイトルやお姉さんの謎【ネタバレあり!】

こんにちはうさぎ♪です。

2018年8月17日(金)公開された映画『ペンギンハイウェイ』

 

公開初日から動員数も多く、かなり評価も高い映画なのですが、結構物語が「難解」なので、その解釈が難しく、どのようにとらえたらいいのか、混乱している人も多い作品です。

 

というわけで今回は、作者の森見さんのインタビューから、この作品の解説・考察をしてみようと思います。

 

この映画を理解する、一つの参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください!

 

 

映画『ペンギンハイウェイ』の基本情報はこちら。

映画『ペンギンハイウェイ』のキャラデザインは誰?道徳の教科書も?

『ペンギンハイウェイ』声優キャスト一覧!タレント声優は不評?

アニメ映画ペンギンハイウェイ:原作とあらすじ。映像化は困難だった?

 


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『ペンギンハイウェイ』解説・考察!「お姉さん」って何?

 

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この映画を見た後の最初の感想として「お姉さんって一体何だったの?」という感想が浮かんできます。

 

結局実家である「海辺の町」にも行けませんでしたし、どこから来たのか、昔の記憶はつまりどういうことなのかなどなど、わからないことだらけです。
お姉さんについてわかっている情報を、原作の小説も含めて書いてみると以下の通り。

 

1、20代半ばの女性(公式設定資料に記載)
2、歯医者に勤める、歯科衛生士
3、給水塔近くのアパートに一人暮らし
4、「海辺の町」出身。海沿いの町に実家がある。
5、ペンギン、ジャバウォック、コウモリ、シロナガスクジラ(本人談)を出すことができる。
6、海と体調が連動している。
7、海が消滅すると、消えてしまう。
8、元気な時に、ペンギンを「出したくなる」
9、ペンギンを出すと、元気がなくなる。
10、ジャバウォックを出し、ペンギンの数が減ると、体調が元に戻る。
11、お姉さん以前から食事はしていたみたいなので(アオヤマ君にパスタを作ってあげていたので)
、お姉さんの「異常」は、最近始まったものだと思われる。
12、Fカップ(公式設定資料に記載)
こうして並べてみても、なかなか推測・考察するのが難しいですよね。

 

”海”の中で見えた、「お姉さんの地元の、海辺の町」も、青を基調とした、例えばモロッコの「シャウエン」のような街並みでした。奈良から電車で行ける場所に、あのような海辺の町があるとは、なかなか考えられませんよね(笑)

 

筆者もいろいろと考えてみました。

 

お姉さんは「母性」の象徴なのではないかという定義をもとに考えてみたこともあるのですが、それでもちょっと納得がいかないというか・・・。

こういうものも書いてみたんですが、ちょっと納得いっていないです。

ペンギンハイウェイのジャバウォックは何を意味してる?考察してみた!

 

 

ならば、著者の森見さんが、どのような気持ちでこの物語を描いたのか、それを知ることでこの物語の「意味」を解説・考察できるのではと思いつきました。

 

 

お姉さんのこういった簡単な謎は、解明できたんですけどね・・・。

ペンギンハイウェイ:かわいいお姉さんは何カップ?身長や股下も!

 

 

 

『ペンギンハイウェイ』著者の森見登美彦さんのコメント集!

 

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この物語を理解・考察するうえで、この映画『ペンギンハイウェイ』の著者である森見登美彦さんのインタビューなどをまとめてみました。

 

量が多くなってしまうので、インタビューの内容を抜粋してみると。

 

・アオヤマ君というキャラクターは、「僕が子どもの頃に見ていた世界が見える人」

・どこかに世界の果てみたいなものがあるんじゃないかと妄想していました。

・僕が見たかった風景や妄想をしっかりと映像化していただいている

・自分自身が小・中学生の時に、探検していた郊外の街や妄想していた世界を小説にしたいと思ったのがはじまり。

・もしかしたらこの住宅街の先を進んでいったら、何かが起こるのでは…という感覚を、読者の人にも体験してもらいたかった。

・「住宅地にペンギンが突然出てきたら面白いよね?」と他人に言っても、普通は共感してもらえない。でも、頭の中にある妄想をいっぱいかき集めて、ストーリーとして組み立てて小説にすると、共有できるようになる。趣味の無い自分が、小説を通じて初めて、他の人と世界を共有することができる。これが、僕が小説を書く目的でもあります。

・よく道に迷って。そんな時にこの道の先には何があるんだろうということをよく考えていました。
・ペンギンたちが海から陸に上がる時、決まってたどるルートのことを「ペンギン・ハイウェイ」と言うそうなのですが、その言葉を見た時、それをタイトルにすれば僕が思い描いている世界にぴったりだと思いました。とにかくしっくりきました。そしてタイトルにするからには、物語にもペンギンを出そうと(笑)。

・そして我々はしばしばペンギンの向こう側に南極をイメージすることがある。南極はある種、世界の果てのようなものだから、それが住宅地に現れるというのはおもしろいですよね。

・僕の書く話はきれいに整った小説じゃないんですよ。「魅力があるわりにはメチャクチャだ」と自分でも思うから、映像作品として成立させるのは難しい。

・子供の頃って、世界の成り立ちとか、死んだらどうなるのか?など、大人が日常の生活であまる不覚考え込まないようにしていることを、考えるじゃないですか、そこにまともに向き合うというか。

・中心のアイディアとして”世界の果て”みたいな、そこから先に行けない不思議な場所が、自分の家の近所にあるんだという子供の頃のイメージを描こうと考えたわけです。

・竹取物語とかね、かぐや姫みたいに、よくわからない世界からやってきて、さんざんこちらを魅了するんだけど、よくわからず帰っていくみたいな(笑)。お姉さんという存在について、かぐや姫のイメージはあったのかも知れませんね。

・『ペンギンハイウェイ』単体でいえば「ソラリス」のイメージにすごく影響されていると思います。小説全体のイメージでいえば、何か向こう側に謎めいたシステムが会って、それを一生懸命調べるんだけど、究極的なところでそこに到達できない、というような。ソラリスという星が、主人公の過去の死んだ恋人を作って宇宙船に送り込んでくるんだけど、その恋人も自分がどうして作られたのかよくわからずに最終的には消えてしまう。そういった「ソラリス」の骨格のようなものは、「ペンギンハイウェイ」の形を固めていくのに使っています。

出典:https://animeanime.jp/article/2018/08/15/39478.html
出典:https://tokushu.eiga-log.com/interview/10212.html

 

重要なものを抜粋したつもりなのですが、それでも量が多くなってしまいました(笑)
この中から、重要なキーワードを抜き出してみると。

 

「世界の果て」を描きたかった
・お姉さんは「かぐや姫」みたいなもの
「ソラリス」のイメージに影響されている
・「ペンギンハイウェイ」はその言葉ありき
一つ一つキーワードについて解説・考察してみようと思います。

 


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・「世界の果て」を描きたかった。

 

この物語のインタビューでも、物語にも頻繁に出てくる言葉「世界の果て」

 

主人公のアオヤマ君も「世界の果て」というものがあるとしたら、どんなものだろうと日々想像、妄想しながら生活しています。そして結局、”海”の中に侵入することで、「世界の果て」というものに接近します。

 

つまり「世界の果て」というものは、著者が子供のころに感じていた「この住宅街の先を進んでいったら、何かが起こるのでは…」という感覚そのもののことを指している言葉だと感じました。

 

その、怖いような、わくわくするような、だけど結局探検してみたら案外近い場所だったりとか、そういう少年の「好奇心」が向かう先のことを「世界の果て」という言葉で表現しているのではないかと思います。

 

 

・お姉さんは「かぐや姫」みたいなもの。

 

これはすごく興味深いコメントなのですが、著者の森見さん自身がお姉さんを「かぐや姫みたい」と表現していました。

 

かぐや姫とは、竹取物語に登場する月人の女性。美しい女性で、5人の青年に結婚を申し込まれますが、その5人に無理難題を押し付け、結局誰もその無理難題をかなえることができず、結局かぐや姫は月に帰っていくというお話。

 

確かに、すごく魅力的で、散々振り回して最終的に消えてしまうというのは、今回の「ペンギンハイウェイ」のお姉さんとよく似ていますね。

 

 

 

・「ソラリス」のイメージに影響されている

 

これも新しい発見でした。この『ペンギンハイウェイ』は、ポーランドの作家「スタニスワフ・レム」の小説「ソラリス」に強い影響を受けているというのです。

 

この小説のあらすじですが、

 

惑星ソラリスの探査に赴いた科学者クリス・ケルヴィンは、科学者たちが自殺や鬱病に追い込まれている事実に直面。何が起こっているのか調査に乗り出します。その過程で、死んだはずの人間が次々に出現する現象に遭遇し、自らの狂気を疑うクリス。やがて惑星ソラリスの海が一つの知的生命体であり、死者の実体化という現象は、海が人類の深層意識をさぐり、コミュニケーションをとろうする試みではないかという可能性に行き当たります。果たして「ソラリスの海」の目的は?
出典:https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/71_solaris/index.html

 
森見さんも「小説全体のイメージでいえば、

何か向こう側に謎めいたシステムが会って、それを一生懸命調べるんだけど、究極的なところでそこに到達できない、

というような。ソラリスという星が、

主人公の過去の死んだ恋人を作って宇宙船に送り込んでくるんだけど、その恋人も自分がどうして作られたのかよくわからずに最終的には消えてしまう。

とソラリスについて解説していますが、

レ、かなり「ペンギンハイウェイ」に近いお話だなと感じました。

 

そもそも、ハマモトさんが「海」と名付けたのも、「観測ステーション」と基地に名前を付けたのも、ハマモトさんがこの「ソラリス」を知っていたからだと思われます。

 

そして、「死んだ恋人が出てきて、その恋人も、自分が作られた理由を知らない」という設定も、お姉さんと非常によく似ています。

 

お姉さん自身も、自分がどうして”海”と関連があるのか、どうしてペンギンやジャバウォックを出せるのか、全然理解していませんでした。
この小説「ソラリス」そのものも哲学的な小説で、非常に「難解」なことで知られています。読みようによって、いくらでも解釈、考察のできる小説をベースにしているからこそ、『ペンギンハイウェイ』も、このように、非常に理解しがたい、難解な物語になっているのではと思います。

 

 

 

・「ペンギンハイウェイ」はその言葉ありき。

 

この物語のタイトル「ペンギンハイウェイ」ですが、このタイトルは、物語が先に会って、それからつけられたものではなくて、まず「ペンギンハイウェイ」という言葉、五感にピンと来て、それからアイディアを広げていったらしいです。

 

「そしてタイトルにするからには、物語にもペンギンを出そうと(笑)。」というくらいなので、このタイトルについては、映画の中でアオヤマくんも言っていたように「自分がペンギンハイウェイを歩いて、お姉さんに会いに行く」という、アオヤマ君の成長するための”道”くらいに考えておくのがよさそうですね。

 

 

 

 

全てをまとめて『ペンギンハイウェイ』を解説・考察してみると・・・。

 

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この物語は、著者の森見さんが子供のころに感じていた「世界の果てとはどんな場所なんだろう、この道を行ったら、もしかしてそういう場所にたどり着くのかも知れない」という、好奇心からくるワクワクするような、怖いような、そんな感情や妄想を形にしたもの。
そこに、年上のお姉さんに対する淡い「恋」の始まり、お姉さんのおっぱいに対する「性への予感」、女性に対する「魅力的だけど、どこか謎な存在感」などが入り混じって、今回のお話になっているのだと思います。
森見少年がかつて感じていた「人は死んだらどうなるんだろう」という疑問や、生活のところどころにある「危険」や「闇」など、想像もつかない恐ろしいことも存在しているのではという予感などが「ジャバウォック」という生き物になり、

それでも知りたいという知的好奇心が「ペンギン」という存在として形を変えて出てきているのではないかと感じました。

 
そして、最終的に「なんだかわからないもの」「難解なもの」という「世界の果て」を、小説「ソラリス」に出てくる”海”になぞらえて表現しているのが、この作品なのではないかと考えました。
筆者も映画を見てみましたが、最終的に消えてしまう”お姉さん”の存在の理由は、ちょっとやそっと考えただけでは到底理解することができませんでした。

 

ただ、その「わからない」という印象ゆえに、いつまでも心の中に「お姉さん」がい続けてしまうような、ずっと忘れられないような、そんな印象を受けました。

 
あの夏に、お姉さんとの出来事って、いったい何だったんだろうという、子供の時特有の、現実と妄想が入り混じったような思い出が、蘇ってきたように感じました。
つまり、この物語は、

 

お姉さんや海の謎を考えること、答えに行きつくことが目的なのではなく、「わからないもの」「妄想と現実のごちゃまぜになった、懐かしい感覚」を思い出すために、「あれって結局何だったんだろう」ということをまた感じるために作られた映画なのではないかなあと考えました。

 
結局解説・考察してみてもお姉さんの謎は解けないままですが(笑)

本当にお姉さんの問題に取り組もうと思ったら、小説「ソラリス」に挑戦してみないと解けないかも知れませんね。

その「ソラリス」にしたって考察や解釈が人によって、全然違うのですから、この物語「ペンギンハイウェイ」も、ひとによって全く受け取り方の違う物語になるんだろうなと思っています。

 

まとめ

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今回は、映画『ペンギンハイウェイ』について、解説・考察をしてみました。

 

今回この記事を書くにあたって、森見さんのインタビューをしっかりと呼んでみましたが、「かぐや姫」のイメージや「ソラリス」がもとになっていることなど、新しい発見がありました。

 

そうなると、小説「ソラリス」も読んでみたくなるような気が・・・。映画にもなっているので、まずはそっちからかな?

 

でも、映画の中で魅力的に動いていた「お姉さん」の印象は、ずっと自分の中に残り続けるんじゃないかなと感じました。

 

謎が解けないと納得できない!という人にはイライラする映画かも知れませんが、「こりゃ一体何なんだ?」という、わけのわからないけど、なんとなくスゴイものをみたい!という人には、すごくおすすめの映画だと思います。

 

 

ちなみに、この物語の舞台、ロケ地、聖地となっている場所は、森見さんが小学生時代に育った『奈良県生駒市』が舞台になっています。

聖地の実際の地図や、実際にある小学校。お姉さんの働く歯医者などの情報をまとめてあるので、ご興味のある方はどうぞ!

映画『ペンギンハイウェイ』の聖地(ロケ地)モデルの場所は?

映画ペンギンハイウェイ聖地巡礼(ロケ地)位置関係を地図で解説!

 

 

 

というわけで今回はここまで!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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